eesey ハッピー・オーガニックライフ - WEBマガジン・アイシス編集者によるブログ。

2014年8月8日金曜日

オーストリア・廃墟となった原子力発電所が、「反原発」のシンボルに

一度も発電をしなかったツヴェンテンドルフ
原子力発電所

ヨーロッパのほぼ中央にあるオーストリア。じつは36年前、国民投票によって、原発を使わないことを決めた世界最初の国です。

1976年、オーストリアの北部にツヴェンテンドルフ原子力発電所を作ったものの、国民の強い反対運動が起こりました。そしてついに一度も原子力発電所に核燃料が入れられることなく廃墟に。現在、この原子力発電所の敷地に、市民が購入した太陽光パネルが敷き詰められ、反原発のシンボルのような存在になっています。

今やヨーロッパ中に原子力発電所が作られ、フランス、ドイツ、スイス、スウェーデン、フィンランドのどこでも、使用済み核燃料をどこに廃棄するかが問題となっています。しかしオーストリアには、そうした問題は一切ありません。

1999年には、オーストリアは法律によって、原子力を使わないことのほかに、放射能汚染されたものを国内で移動することも禁止しました。さらにEUに対しても原子力を使わないようにという働きかけをしています。

原子力発電所は、たとえ事故がなかったとしても、年々、使用済み核燃料や放射能に汚染されたものが増えていくことになります。そのことを考えるとき、原子力エネルギーを使い続けることは、未来の世代に対して、たいへん無責任なものであることが明らかです。
オーストリアの国民投票の結果は、市民意識が高いことの表れです。
じつはこの国は、小国ながら、ヨーロッパでもっとも有機農地の割合が多く、オーガニック先進国。自然や環境を大事にする考え方が普及している国は、目の前のことだけではなく、未来のこともしっかり考えているのですね。